BGMさんに工場見学に行きました!
42GAMESの田原です。
2018年ゲムマ大阪、ついにボードゲームを遊ぶだけでは我慢できなくなり、「mine mine!」というゲームを作ってしまいました。こんにちは!ブースの向こう側!
「mine mine!」を作るにあたり、いろんな経験ができましたので、これを共有できればと思い、この記事を書かせていただきました。
「mine mine!」の特徴はこのダイヤモンド型のボードなんですが、このボードはBGMさん(@boardgamemill)に作ってもらいました。大変お世話になったので、どうしても現場を見たくなり、無理を言って覗かせて頂きました。森川さん、お忙しい中見学させて頂き、ありがとうございました!
ボードゲームを作る上で、印刷所はやっぱり信頼できるところがいいですよね。最初僕は別の印刷所にお願いしようとしていたのですが「mine mine!」は200という少ロッドの為か、あまり対応が良くありませんでした。(見積もりが遅い、パーツごとの詳細見積もりがない、予算オーバー、など)
ゲムマ2ヶ月前からお願いしてたのに、1ヶ月前に全然想像と違う見積もりを出され、変更も望めそうにないので、慌てて他の印刷所を探し、そこで見つかったのがBGMさんでした。短納期でいろんな印刷所に断られる中、快く引き受けてくれて本当に助かりました。作る上でのアドバイスもとても参考になりました。だから、提灯記事を書いてお礼になればと!(というか9割好奇心かもです。ご迷惑をおかけしました。工場大好き!)
ご存知の方も多いと思いますが、BGMさんは紙加工を大正(!)からされている、正式名称「株式会社モリカワ」という名古屋の会社です。ボードゲームの印刷をしてくれる会社の中でも、紙の加工に強い会社!と言えると思います。
「mine mine!」の
- 箱(エンボス加工)
- カード(エンボス加工)
- ボード(トムソン+エンボス加工)
- チップ
は全部BGMさんのお仕事です。
では、工場見学のスタートです!
まずは外観です。おしゃれ!もっと工場っぽいかと思いました。
というか、工場は別の場所にあって、ここは事務所になっているようです。
トラックもあります。納品や仕入れに使われるんでしょうね。は~しれはしーれーもりかーわトラックー♪
中で見せてもらった、チップのトムソン型です。
トムソンとは、直線ではない自由な形に、紙を切る加工のことです。通常、印刷が終わると紙は断裁機で切るのですが、断裁機で切れるのは一直線だけ。丸や特殊な形はトムソン加工で作らなくてはいけません。
緑の部分がゴム(みたいなの)で出来てまして、緑の方に紙を置いて、木の方から圧力をかけると、緑の部分に埋め込まれている、曲線の刃が出てきて、チップの形に抜けるそうです。Φ20mmのチップが、A4サイズの紙から、60枚作れます。
ちなみに「mine mine!」のチップはこんな感じで丁付けしています。紙の大きさがA3で、裏表を逆さにして付けます。この紙をチップボール紙(灰色の厚めの紙)に貼り付け、トムソンで抜く!というわけですね。
そのトムソンで抜く前の、貼り付けの作業がこちら!
びっくりでした。手で貼り付けるんですね。ありがとう、工場のおねえさん、おにいさん!皆様のお仕事のおかげで、無事にゲームが出来ました。(ちなみに僕の撮影した動画に写ってはいけないものが写ってたので、この動画だけ借り物です><)
大量の場合は、こちらの機械を使うみたいなんですが、位置合わせなどでロスも多いので、少ロッドは動画のように手で貼り合わせされるようです。
ボタンがメカメカしいですね。工場マニアにはたまりません!
さて、張り合わせたらすぐにトムソン、と行きたいのですが、その前に、エンボス加工の機械も見せてもらいました。エンボス加工とは、この表面のザラザラした加工のことです。
手前が加工前、後ろが加工後です!ちなみにこの写真は、、、2018ゲームマーケット東京春で発売する「BREMEN Games(1日目 I35)(@BREMEN_Games)」さんの「ピクトレイル」ですね。アートワークがとても綺麗!欲しい!
こんな機械に紙を通し、紙に圧力をかけ、凹凸をつけるんですね。
実際に作業されてるのが、こんな感じでした。ちなみにここで見えるのは、、、2018ゲームマーケット東京春で発売「するめデイズ(1日目 D17-18)(@surume_days)」さんの「曖昧フェイバリットシングス」のパッケージのようですね。フェイバリットゲーの2版リメイクのようです。イラストもおしゃれでかわいい!これも欲しい!(未完成の段階から物欲が
ちなみに、薄い紙にエンボス加工をするのは難しくて、ロスも多くなっちゃうそうです。たいへん!
さぁ、いよいよトムソン抜きです。
ボードゲームは関係なかったのですが、機械はこんなかんじ。
上から紙が降りてきて(サンプルはプラスチックですが)機械の中に入り、下から圧力が掛かり、型どおりに抜かれます。出てくるのは反対側とのことで、そこは見れませんでした><
が、代わりに見せてもらったのがこれ!!
「mine mine!」のボードのトムソン型です!逢いたかったー!
ちなみにデータはこんな感じです。
仕上がったのはこんな感じ!
デザイン→テンプレート貰う→合わせて調整する→印刷→貼り合わせ→エンボス加工→トムソン加工→バラして箱詰め
と、いろんな工程を経て、ブースに並べる事が出来ました!感謝でございます。
他にも見せていただいたのがこちらの「カードを抜く機械」です。
カードの形の刃がついてて、そこに紙を押し付けるとカードになって出てくる!という機械ですね。カードのところてんやー!
ちなみにカードはこんな丁付けでした。一回り大きなサイズ(カードの色が変わる所)で一度断裁して、この機械を通せば出来上がり!という寸法かと思います。
ちなみに、カードでは使わないのですが、角丸のマシンがこんな感じです。
うーん気持ちいい!!!説明書でもなんでも角丸にしたくなりますね!(興奮状態
あ、そして加工場で偶然見かけた「グランドアゲームズ(E35-36)(@economic_wars)」さんの「アネクトパンチ」
こちらも楽しみなゲームです!プロモが楽しそう過ぎる!(公式サイト)
さて、工場見学はここまでですが、参考になりましたでしょうか?
正直な所、特殊加工は高いです!見ていただいたように、一つ一つの工程に職人さんがついてます。トムソンには木型の作成代もかかりますし、エンボスだって、1枚1枚通さなくてはなりません。「mine mine!」のボードのトムソン加工(+エンボス加工)はロッド200で12万9,000円かかりました。正直、単純なA4二つ折りボードならもっと安いし利益も取れます。
今回はどうしてもA6箱に入れたくて、ちょっとやりすぎたかもしれません。ギリッギリでした。それでも、お客さんに発見して貰い、手にとって貰い、楽しそうに遊んでくれるのを見てたら「加工してよかった!」と思えました!
尚、BGMさんは所有している機械的に100-500位のロッドがちょうど良いそうです。2018ゲームマーケット東京春でも出展されるそうなので(J01-02)手触りのいい商品、面白い商品を作りたいデザイナーの皆様、次の新作の面白加工を相談してみるのはいかがでしょう?